資金不足解消のカギ! サロンが受けられる資金支援とは?日本政策金融公庫が2018年9月に実施した
『起業と起業意識に関する調査』では、 起業に関心のある層のうち53.1%が、自己資金不足を理由に起業をためらっているという結果が出ました。 資金調達の悩みは、現役のサロン経営者にとっても大きな課題となっております。 今回は、美容業の起業や運営にも大きな助けとなってくれる 『補助金・助成金制度』の仕組みについてご紹介します。 【国から返済不要の“支援金”を受け取るには?】 開業時など、意外とお金がかかるサロン経営。 人件費や経費、維持費、広告費など、資金の使い道は多様にあります。 すべてを会社で支払おうとすれば、莫大な重荷となりますが、 国から給付される『補助金・助成金制度』を活用することで負担も軽減します。 返済の必要がないため、資金不足でお困りの場合は利用しない手はありません。 仮に、独立してサロンを開業する場合の初期費用は、 だいたい1,000万円以上といわれています。 内訳は、テナント賃料、内装工事費、設備費、広告宣伝費、そして開業後の運転資金など。 カット台やシャンプー台、鏡などの設備にこだわれば、その分も加算され、 駅近など立地にこだわれば、費用はさらに膨れ上がります。 こうした理由からも、一定の条件を満たせば受け取れる 補助金・助成金に頼るオーナーは少なくありません。 しかし、これらの支援金を申請するには、 『事業計画書の提出から1年後』 という決まりがあります。 つまり、開業する1年前には提出していなければならないということ。 そして、『助成金』については、さまざまな開業費用(経費など)が発生した後に 支給されるということも覚えておくと良いでしょう。 【申請前に確認! 『助成金』と『補助金』の違い】 申請する際に最も気を付けておくべきことは、提出のタイミングです。 手順がひとつ前後しただけでも申請が受理されないというケースも多く、 そうなれば資金調達の計画も崩れてしまいます。 特に『助成金』については、開業計画時から先々についても想定しておく必要があります。 厚生労働省から支給される『助成金』は、雇用創出のための支援金です。ですので、 受給するには様々な条件があります。 例えば、東京都限定で創業後5年未満の中小企業であれば、 人件費、設備費(レンタルリースのみ)、謝金などを対象に限度額300万円が支払われます。 また、東京などの都市部以外で起業する場合は『地域雇用開発助成金』が有効です。 雇用人数と開業時の支払額によっても変動はありますが、 3~4人の店舗であれば60万円ほど、1年ごとに最大3回支給されます。 一方、サロン経営者に最も人気の補助金が 『小規模事業者持続化補助金』 というものもあります。 常時正社員雇用5人以下のサロンを対象にした制度で、 補助率は経費の3分の2、上限50万円と100万円の2種類があります。 昨今進んでいるIT化への支援として『IT導入補助金』というものもあります。 店のホームページや予約ソフト、POSレジシステムの導入など、ITツールを活用するための『補助金』です。 補助額は15~50万円、経費の2分の1が対象となります。 自社開発のシャンプーや化粧品を扱いたい場合は、 『ものづくり補助金』を活用します。 条件や募集内容にもよりますが、だいたい上限額500万円あるいは 1,000万円の支援が受けられます。 審査がなく、労働保険に加入しているなど条件を満たしていれば受けられる 『助成金』と、 事前審査や後の報告書提出や検査などがある『補助金』制度。 どちらも同じく資金調達のために活用が不可欠ですが、 どのように充当させるか、またタイミングも計画した上で申請をしましょう。 【『助成金』と『補助金』で迷ってしまったら】 審査がない『助成金』は、条件を満たせば誰でも受けられる点から、 活用のハードルは低いと言えます。 一方、『補助金』は、度々の審査や検査があり、受給するには手間もかかります。 支給を希望するまでの時間や額によって、どちらがよいか検討してみましょう。 たとえば、サロン経営者にとって最も身近な『IT導入補助金』については、 補助金といえど審査が通りやすく、おすすめです。 2017年からスタートしたこの制度は、IT化によってますます予算拡大が見込まれています。 専門家の間では、まだ新しい制度のため申請者が少なく、 国の予算にも余裕があると考えられています。 導入後は、“補助”金ですから全額ではないにしろ、費用の半分は補助されます。 たとえば、ホームページを制作するのに60万円の費用が発生したとすれば、 30万円は国が補助してくれます。 もし審査がNGであれば、ホームページ立ち上げは断念し、 別の補助金制度にトライするという切り替えもできます。 支援金を活用してサロン経営を行う場合には、短・長期的計画は欠かせません。 自身の事業展開に必要な制度や手続きを考えながら、支援金制度をうまく活用していきましょう。
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